くろみつの隅の囁き

文化系全般を勉強中。2〜3次元までミーハー気質。又吉ごととか。

【映画】「LIFE!」を観て旅に出たくなる週末。

 

こういう、決して無理やりだったり、押しつけがましくはないけれど、観終わった後に「なんか頑張ろう!」と思える映画をずっと観たいと思っていた。個人的に受けた印象を一言で表すとそんな感じだった。つまり今元気でてます。あと評判とか調べる前からこの映画をずっと観たいと思っていた自分の勘?にちょっとだけ酔ってます(笑)

原題は「The Secret Life of Walter Mitty」

 

LIFE!/ライフ オリジナル版 (字幕版)

LIFE!/ライフ オリジナル版 (字幕版)

 

 


映画「LIFE!」 《人生が変わる》6分間予告篇 - YouTube

★あらすじ

雑誌「LIFE」の写真管理部で働くウォルター・ミティ(ベン・スティラー)は、思いを寄せる女性と会話もできない臆病者。唯一の特技は妄想することだった。ある日、「LIFE」表紙に使用する写真のネガが見当たらない気付いたウォルターはカメラマンを捜す旅へ出る。ニューヨークからグリーンランドアイスランド、ヒマラヤへと奇想天外な旅がウォルターの人生を変えていく。

以下それなりにネタバレ注意。

 

★平凡・冴えない・妄想癖…なんか自分と被る。

私と被るというより、世の中のほとんどのサラリーマンは何処かしら共感できると思う、地味めで冴えないウォルター。序盤特に、彼の妄想(空想)が唐突に入ってきて一瞬「え、こんなアクション映画みたいなの?」と思ったが、すぐにそれが妄想だとわかると、笑えると共にこの妄想癖異常だなと…思えなかった。いや、笑えるんだけど、あれくらいの妄想私もあるなと思って。例えば…

 

大学で講義を受けていたら突然男が乱入。一列目の端に座っていた可愛らしい女学生(可愛い系の美人さん)を囮に「動くなよ」と周囲に銃口を向ける。

恐怖に静まりかえった教室で、スマホを取り出し堂々と警察に連絡する私を男が発見し脅されるが、実は私は特殊な力を持っており…そしてアクション映画的展開、とか。

(特殊な力を持ってるなら犯人も特殊な力を持っていればいいのに、なぜか自分だけ持っている不公平感。)

そういう意味不明だけどどこかの映画にありそうな展開をよく妄想していた(最近でもたまにぼーっとする)私にとっては、これ別にそんなに異常な程の妄想癖じゃないよね?と思ったけれど、多分私が普通に妄想族なんだと思う。

 

ともかく、序盤では事あるごとに妄想しつつもふと我に帰ると現実は冴えない主人公、という感じだった。それが、廃刊が決まった伝統的フォトグラフ雑誌としては相当重要であり、長年ネガフィルムを扱ってきた彼にとっても大きな意味を持つ(ある意味今後解雇されない可能性を少しでも高めるための大切な仕事でもあった)最終号の表紙のネガが見当たらない事から、実際に会った事は無いが長年仕事を通して絆を築いてきたフォトジャーナリストのショーンを探す旅に出る。

実は観る前の予測では、そんな冴えない日常をほっぽり出して、つまり仕事を辞めたり解雇されたりしてダメダメになってから、ひょんなことから旅に出て人生変わってくありがち展開?と思っていたけれど、仕事として、写真家ショーンのネガを求めて三千里、という感じだし、ずっと旅をしているわけでもない。一度会社に戻ったりしているし出張レベルからのスタートだったので、いくら行き先が遥か彼方のグリーンランドアイスランドだとしても、逆に現実感があってわくわくした。

そして、始めは妄想と現実の対比が際立っていたのに、徐々に現実が妄想を超えてきて、ウォルター自身そんなに妄想しなくなっていく。ヘリから海に飛び込むし、サメに襲われるし。それだと妄想なんてくだらない幻想にすぎなくなってしまうけど、たまに妄想により現実のアクションを後押しされている場面もあって、そこがまた素敵。(想いを寄せる女性が歌ってくれた事で勇気が湧いてヘリに飛び乗ったり。)

その後にもいいな〜と思うシーンが結構出てくるけれど、そうしてどんどん勇ましく、というか良い顔つきになっていくウォルターが、そんな「旅を通して男前になった」っていうありがち展開そうでいて全く不自然じゃない感じが好き。「だから旅はすばらしい」っていう展開だと、「旅をすること」自体に頼っているというか。

実際一人旅をしてみたりした私自身、もちろん得た事も多いし本当に旅してよかったとは思っているけれど、それにより人が驚く程成長するなんてことはないよな、と実感したことがある。ただ旅に出たくらいで簡単には人って変われないよな、と。

でもこの映画における旅は、旅先で素晴らしい人や出来事と出会ったおかげで何かが変わったのではなく、彼がもともと持っていた素晴らしい部分が旅で引き出されてきたというか。自分がもともと持っていた誇りを発見できたというか。それに様々な国の都市をめぐって文化や人と交わるっていう旅もいいけれど、グリーンランドアイスランドのような、壮大な大自然って感じの旅も素敵だな〜と。それにしてもショーンと会った時のあのユキヒョウのシーンはかなりの名場面。

 

ベン・スティラー監督・主演。

本当に私は映画通でもなんでもないので、ベン・スティラーといえばナイト・ミュージアム、くらいしか知らなくて。ナイト・ミュージアム面白かったし、その時この人かっこいいな〜と思ったくらいで、監督をやってるとかも全く知らなかった。というか映画観たあとエンディングロールで「…あれ?…主演と監督同じ…まさか?」と気がつくくらいの無知。ググったら49歳だと知り驚愕。30代だと思っていた…。

★音楽・BGMも良かったので暫く自分の毎日のテーマソングにします。

 

そんでもって鑑賞後一応日本語吹き替えもどんな感じか試してみて、びっくり。まさかの関西弁…!ウォルターってこういうキャラじゃなくない?別人じゃない?これギャク?公式!?ってなったけれど、別に岡村さんが悪いとかでは全くなく、何故関西弁で吹き替える事にしたのかただただ疑問に思う…。

 

さて。次はずっと焦がれてきたニュー・シネマ・パラダイス